32インチ バスドラ と 50年代のバスドラ事情

録音

やっと手にいれました32インチのバスドラです
左が32インチなのですが右は24インチです
24がエラく小さく見えますね

週末の自作の時間を減らしてまで移動
やっと手にいれました(シホくんに大感謝!!!)
奥行きは14インチほどかと思います

なんでそんなけったいなものを使うのかと言いますと
やっぱりあの頃の音が欲しい為です

下の写真は1950年代シカゴの神様
エルモアジェイムスバンドです

ドラマーはロバートプランケット、見事に32インチ程ですね

自分はロバートとは彼が死ぬまで
数えきれない程一緒に演奏しましたが
彼が若い頃(40年代から50年代)
キックはこの大きさが普通だったとの事でした

このロバートはとでも良い人柄でそして素晴らしいシンガーでした
多分自分の基礎になる感情の部分を
すべて彼に教わったかも知れないです

ドラマーとしては残っている録音が少ないですが
彼のドラムの音は爆発的感情としか言葉で表現出来ません

ロバートの話はさておき
50年代のキック事情はどうなのかという事ですが

あの頃のキックは前後に皮を貼っております
それらはフロントは固めに手前は柔らかめにチューニングされます
それが基本です

今のキックと比べ胴の深さ(両皮の距離)が深くないので
ビーターに弾かれた手前の皮は
すぐにフロントの皮を揺らし、フロントの皮が硬い為、すぐ跳ね返り
そしてすぐに手前の皮を再度揺らします

それらが出す音はバリンと一音にまとまります
4つ打ちするにはこれ以上攻撃的な音はありません

非常に大きく低いタンバリン的なキック音です
ベイシーの40年代録音でも多数聞けます
(40年代の録音精度を考えると強烈にバリンバリン鳴ってたはずです)

口径が大きいと打ち込んだビーターが皮に触れていても
フロントから跳ね返ってくる波動は関係なく手前の皮を揺らします
(ちょっとはミュート出来ますが、、)
今のキックとくらべても少し高めの周波数帯が鳴ってます

じゃあ今のドラムでその音は出ないの?って事ですが
残念ながら出ません

理由1.
手前の皮からフロントに行って手前の皮に戻るのが一音になる
その音を作るにはモダンな深胴(20前後)では遅すぎます
モタツイて音が濁り、間延びする為、浅胴で無ければいけません

理由2.
口径が小さいと皮の波動がドラムのボディに吸い込まれてしまい
手前の皮まで十分な量が帰ってきません
胴鳴りなどは要らないのです、前後の皮が揺れて欲しいのです

理由3.
理由2と関わりますが口径の大きなドラムの胴は薄いです
モダンな厚みのある胴は音を吸い込み音の重心を下げてしまいます
近接で録った時に深みのある音をボディから録る為ですが
悲しいかなあの頃のキックの音とは全く違う周波数帯が鳴ってしまいます

またそれはそれでカッコ良いのですが、ボンゾとか、、
低いんですね周波数がちょっとだけ
そしてその周波数帯が非常にある時代を思い起こさせます、
ジンジャーなんとかさんとか、、すっごい好きですけど
なにせ40.50年代の音ではないです

手前の皮の音は26、28辺りでも少しは出ますが
ビーターが当たったままでいようがいまいが
あのバリンが出るのは口径30インチ辺りからです

前後に皮を貼り、
フロントは固めに手前は柔らかめにチューニング
30以上の口径の浅胴の薄いキックを使う
それが40、50年代のあのキック音を出すキーです


90年代アメリカには
おじいちゃん達まだ数人生き残ってあの音を出してましたが
(シカゴでもニューオリンズでも数人見かけました)
もういないでしょうね、、

ヤバイ、こんなアホな事を必死でしているのは
日本でも世界でも俺だけかも、、、

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