u73b DIY

このページではu73bのクローン作成について説明します

Telefunken u73b というコンプの音について
<音質>
7ピン五極管の色気のある音。五極管特有の情報が詳細で存在感のある音。と上質な6DJ8の繊細で詳細な音。シングルアンプ(VariMUコンプにしては珍しい)の軽快な音。結構ヘビーにフィルターされた増幅段設計。
それらがコンプレッションされて変化し妙な色気とおちつきのある優しい音が簡単に作る事が出来るアンプ。この色気が出るところとこの優しい音に変化するアンプって非常に珍しいと思う(というかu73bの他は知らない)

合うと思ったソースは女性ボーカルやシンセ、しっとりと全体的に落ち着きと色気が増す。特に女性ボーカルは年齢が10歳程年をとる感じで色っぽくなりすごく使い勝手が良い。シンセの硬さも取れて良い感じに落ち着く。逆に合わないと思ったのはドラムとベース。派手さが無いので一聴ちょっと暗いと感じるかも知れない。


<動作とその音の特徴>
インプットは珍しい+6から+16入力。これはV72とアッテネーター等で組まれた多CH卓ユニットの最後に掛けるコンプとして設計された為でスレッショルドもその入力ゲイン値に沿って設定されている為機材に拠ってスレッショルドに届かない場合もある。

リダクションはフロントフィードで入力の直後インプットトランスの前にリダクション回路に入る。u73に至ってはアタック抵抗も無しなので基本アタック速度はE80CFの回路分の抵抗値でとても速いはず。だからなのか基本自然なリダクションをするが誰も速いアタックが欲しいからu73を使う人はいない。デザイン的にはこれしかないという設計だがサウンド的には利点となっていない。

<真空管の選択>
オリジナルのTelefunken E99Fは現在入手不可。同じ7ピン五極管は6BA6、6BJ6等を試験した結果、どちらの型でも色気は十分出る事を確認。VariMUの動作もどちらも問題無い。μという点でもu73bの場合はフロントフィード型の為トータルゲインはそれ程必要でない。考察した結果7ピン五極管は入手可能な型で良いと思う。比較的US管の方が日本管よりしっとりとした色気のある音が出るような気もする。

6DJ8/E88CCは基本的に現行の管はu73bには不要なパワーが有り音像も少し詳細に欠けており繊細でもない音が出るものが多い。特にUS同等管や現行管はパワーが有りすぎてギターアンプ中段、エフェクターやミニワッター出力管向けには良いがu73bにはあまり合わない。音がギシギシとしているか歪んでしまうかフィルターを掛けたあとに低音域がボワボワとまとまりのない音になる管が多い。

オリジナルTelefunken製E88CCは非常に人気のある管の為現在は高価で入手困難。キャラ的には繊細で意外と出力が弱いが非常に纏まっていて心地良いディテール感があるとの事。近いキャラクターを持っているのがTeslaの管でそれ程高価ではないので作成するならTeslaのE88CCが良いと思う。詳細で繊細というキーワードだと旧ソ連製6N23Pもヒットしたので要テスト。

オリジナルのu73回路図

DRIP の回路図(説明メモ付き)

GroupDIYのDavePのU73b from scratch配線図

作成前に読むサイトと情報 – U73b 自作の際に読んでおくと良い読み物は下記

German Vintage Modules様のU73bのFine tune / Calibration シリーズ
https://blog.goo.ne.jp/wellver/e/3f1f3bfa546ce7bcee067a199ff38edd
同氏に依るTELEFUNKENuX73系のコンプの癖の説明
https://blog.goo.ne.jp/wellver/d/20080529 (第2,3,4段落の情報量は圧倒的)
DavePのU73b from scratch – GroupDIY
https://groupdiy.com/threads/u73b-from-scratch.59242/
TAB FunkenwerkのOliver による歴史、u73の前後
http://www.tab-funkenwerk.com/id6.html
new project TAB * U 73b with Varicom (Z) (ドイツ語)
https://www.manfreddeppe.de/menu/diy-u73b/


最初に躓く用語集
K – Comp / B- limiter
Mitte – Center, Centertabs of the transformers
Regelsp. – Regelspannung – side chain control voltage
Speicher – Memory (hold)
Geh – Gehäuse – chassis ground

作成手順

まずはu73を作成

基本動作は
アンプ部は7ピン五極管からインターステージを介してフィルター有りの6DJ8のシングルアンプ。
リダクション部は独立フロントフィード、E80CFで増幅して反転トランスでCTへ。
カソードに付いてるVRは各モードの音量差調整用

トランスに渡してある抵抗、インターステージは周波数調整用、アウトプットは只のトリム。リダクション電圧は6V 辺り。左上はアッテネーター、右下は電源。ヒーターは別に2系統でなくても通常動作する。反転トランスの2次にショットキーダイオード。アタック抵抗無し

インターステージ抵抗周波数帯対応表

反転トランスは1+1:1ハイインピーダンスですが現行トランスでは無い型、下記のDaveP式を使うと通常1:1にて作成可能

これで只のu73完成
でこれだとアタックリリースタイムが固定なのでDavePのリリースタイム抵抗回路を82番のコンデンサと平行に投入

アタックタイム抵抗としてDRIPのGregのアタックMODを55番と直列に入れてあげればu73b完成

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