真空管を使ったEQを自作します。2ミックス用にステレオで作成
Qというのは簡単に言うとEQの山
鋭くしてその周波数だけ変化も出来るしなだらかにして前後にも影響出る様にも出来る。Qが変えられるのは意外とよくて結構プラグインでもQをいじる事が多い。EQ回路の図面はこんな感じ、500/1000/2000/4000
■良い点は
Qがいじれるのは良い
フィードバック方式なので音が良い
■問題点が2つ
250k500kの組み合わせのポットが無い
それほど6SL7の音に執着がない
のでRCAのコンソールの卓BC-2B MI11241回路と12AY7を使ってHI/HI MID/LO MID/LOの周波数とその可変Qを持つEQとしていくつかのフィルターを追加してステレオで作り直した。
RCA-BC-2B MI11241の図面はこんな感じ
BC-2Bは12A系使ったアンプとしては最高の音が出ます。多分これ以上の回路は考えられない程突き詰められてるのでそのまま作るべきアンプ。なぜ有名ではないか不思議なくらい誰も何も言ってない
出来たアンプはこんな感じ
さすがはRCA回路、音は素晴らしく良い。EQの効き具合も直感的にいじれて良い。意外と低域の反応が良い、グッとくる低音が簡単に出来る。フィルターはかなり使える、モダン環境でも使える良い音。焦点が合って聽きやすい音が簡単に作れる。良いアンプになりました
下記は機能の説明と気付いた点
■フィルター
耳への感じや聴き易さを全体的に調整出来ます。全体的に音が変化するのでまずはEQ抜きのフィルターのみで出音の変化を確認しEQ設定後にも再度オンオフチェックするのが良いかと思います
1.RCAフィルター
50年代のRCAの回路によく見かける音声向けフルレンジフィルターです
焦点があった音に変化します
2.DCフィルター
昔の機材によく使われていたDC直流をカットする為のフィルターです
聽きやすく解像度が高くなったかの様な音に変化します
■EQの方式
フィードバック方式を使っている為コンデンサーでの除算タイプ(Pultec等のタイプ)より最終的な出音が太くて良いです。がしかしフィードバックタイプのパッシブEQの為、削り過ぎると音が消えます。ツマミは右側の方が良いと思います
■パッシブEQについての基本
パッシブは削る事を目的としているので低域を出したければ高域を削ると考えると挙動が理解しやすいです。上げたいレンジを上げるのでは無く(上げても良いですが)両隣のレベルを下げてやるといった感じですべてが逆と思うと楽です
■Variable Qについて
フィードバック回路の為Qの値を低くすると元音を削りとる量が増えていき最終的には消えます。出来れば右側の高い位置に設定しておくのが良いと思います。効き目は通常のQと同じで山を調整します。高ければ鋭く低ければ設定周波数から山なりに大きくなる感じです。効き目の量とその影響範囲度といった理解が楽です
■おすすめの設定方法
まずフィルターもEQもオフにして真空管アンプ部のみの出音の確認し、その後に各フィルターオンオフを決めてからEQの設定をする。各EQノブ初期値は12時方向あたりにセット、HiQは右に振り切った状態からLoQは14時くらいから設定するのが反応が感覚的に解りやすくて時間も最短になりそうです。前述の通りにEQ設定後にも再度フィルター等の必要不必要をチェックするのが良いです
■回路の説明
50年代のRCAの真空管コンソール BC-2B MI11241型を基にしています。12AY7というモダンな管を使った録音やラジオ局用の卓回路です。かなりのヒット作だった様です。基本的にRCAの音で少しだけ現実より派手な音です。12A系の真空管を使った増幅回路でこれ以上の良い音はないのではないかと思う程のレベルで完成されています